ドライアイ
ドライアイとは、ストレスや睡眠不足、パソコン等の目の酷使などが主な原因で、
涙の量の減少や涙の成分の変化が生じて、角膜という黒目の表面が乾燥する病気です。
ドライアイ患者は日本に1000万人以上と推定されていて、特に仕事でパソコンを使用する人の3人に1人、高齢者の約7割はドライアイといわれているくらい頻度の高い病気です。
ドライアイの症状
症状は多彩で、以下の症状のうち5つ以上ならドライアイの可能性があります。
- 眼が疲れやすい
- 目やにが出る
- 眼がごろごろする
- 重たい感じがする
- 眼が乾いた感じがする
- なんとなく眼に不快感がある
- 眼が痛い
- 涙が出る
- ものがかすんで見える
- 眼がかゆい
- 光を見るとまぶしい
- 眼が赤い
ドライアイがひどくなると目の表面に傷ができ、放置して置くと、
視力の低下をきたす重篤な感染症をきたす可能性もあり、症状が強くなる前に、適切に治療しておくことが大切です。
ドライアイの治療
ドライアイの治療は、「点眼薬による水分の補充」、「涙を貯める」、「悪化要因の除去」に分けることができます。
点眼薬による水分の補充
「水分を補充する点眼液」としては 以下の3種類があり、ドライアイの重症度に応じて使い分けていきます。
それでも症状が改善されない場合は、自分の血液を利用した血清点眼を使用します。
- 人工涙液:
ソフトサンティア、マイティア - 角膜上皮保護点眼液:
ヒアレイン - 涙液分泌促進点眼液:
ジクアス・ムコスタ
涙を貯める
「涙を貯める」方法としては、涙の流れていく出口の涙点を塞いで涙液を眼球表面に留める方法があり、
当院では健康保険の適応される2つの治療法「涙点プラグ」と「キープティア」を行なっています。
涙点プラグ
涙点プラグはシリコン製で、涙点の大きさに合わせ、上下あるいはいずれかに挿入し、涙の流れていく出口の涙点を塞ぎます。
処置は、短時間(1箇所の挿入で10秒程度)で、痛みはありません。
デメリットとしてはプラグによる感染や異物感、プラグの自然脱落・迷入があります。
キープティア
(コラーゲンプラグ)
キープティアは別名「液体コラーゲンプラグ」と呼ばれ、
涙点および涙小管に特殊なコラーゲンを注入することで、涙の流れていく出口の涙点を塞ぎます。
メリットとしては、シリコン製プラグに比べて違和感やプラグに伴う副作用が少ないことがあります。
デメリットとしては、コラーゲンが自然吸収されるので、通常期待する有効期間は2か月程度です。
悪化要因の除去
「悪化要因の除去」としては、パソコンやテレビを長時間見ないようにする、冷暖房中は加湿器などを使用して部屋の乾燥を防ぐ、コンタクトレンズ装用者は装用時間を短くする、といったことが挙げられます。また、意識的に瞬きを増やしたり、まぶたをホットアイパックやお絞りで暖めるとマイボーム腺から脂肪が流出しやすくなるので、ドライアイ症状が緩和されます。